ゴマ(胡麻)栽培入門

ゴマの収穫

おまちかねのゴマ収穫です、ここ一ヶ月の苦労が報われる瞬間です。

ゴマは種子が完全に成熟すると実を包む鞘が裂けて開き、中の種子が飛散して地面に 撒き散らすという癖を持っています。 収穫するタイミングが遅すぎるとをせっかく栽培したゴマが地に還ってしまいますので 種子が飛散して地面に降り注いでしまうよりも前に、鞘を摘み取るなり株ごと刈り 取るなりして収穫します。 刈り取り作業を失敗すると鞘が一気に弾けてしまい、苦労して栽培した努力が泡と なって消えてしまうので刈り取りは神経を集中して一気にやりましょう。 収穫時期は下の葉が黄色く変色して2~3個鞘が割れた頃になるので、下の葉が黄色 っぽくなってきたら収穫間近です。 ゴマは茎の下から上部へ流れるように順番に開花して実をつけていくので、下部を 観察していれば収穫タイミングを見逃すことはないでしょう。 鞘が2~3個ほど烈開を始めたらすぐにでも刈り取りを始めます。 今にも一番下の最初に成熟する種子が弾けそうなはずですので、ほっといたらすぐに ゴマが地面に散ってしまいます。 鞘を1つ1つ収穫する方法は手間がかかり、栽培量が多いと1人では捌ききれない かもしれませんが、成熟した瞬間に収穫できるので各鞘最高のタイミングでの収穫 を可能とする方法でもあります。 ゴマを最も美味しく頂くには最適ですが、家庭菜園の規模でならともかく農家が 広大な土地で栽培している場合は現実的ではありません。 成熟具合によって鞘を摘み取る作業を数日間繰り返すことになるので、何千何万もの ゴマを栽培しているなら摘み取り作業だけで腰を痛めてしまうでしょう。 自分のためにおいしいゴマを手に入れたい、と考えていて自分が使う量だけを ベストタイミングで収穫するだけなら大丈夫でしょうが、出荷するゴマのために そこまでやることはありません、というか体力的に無理です。 大規模な栽培では株ごと刈りとって収穫する方法になりますが、この場合収穫の タイミングは2~3個鞘が割れた頃合で、下の方は成長しきっているけど上の方は まだ成熟していない状態での収穫となります。 すべてが成熟する頃には下の方は鞘が弾けていますので、全ての実が成熟した状態 で収穫するタイミングは残念ながら存在しないのです。 鞘が弾けて地面に散ってはもったいないのでそうなる前に、でもそれだと上の方は まだまだ育つ余地があるのに、と葛藤の中での収穫になります。 でもそれほど悲観することはありません、充分おいしいゴマです。 刈り取ったゴマは10束くらいにまとめて乾燥させます。 穂を上にして雨の当たらない場所で、風通しもあるところで1週間ほど乾燥させる のですが、その間に鞘は割れてゴマの実を落とします。 そのゴマを失わないよう、あとで回収できるよう下にはビニールシートなどを敷いて 受け止める準備をしておきましょう。 乾燥が終わったら、それでも鞘に残っているゴマを取り出す作業に移ります。 軽くはたいたり足で踏んだり、ようは種子が鞘から出てくるようなアクションをして 一粒残らず回収します。 ゴマは育成するよりも収穫作業のほうがたいへんな農作物です。 栽培するだけならそれほど手間のかからない部類に入るのですが、収穫してからの 作業は実が小さいこともあり神経をつかいます。 そのために日本ではあまり栽培されないようですが、自分で食す量くらいなら 苦も無く収穫できるでしょう。 みなさんもゴマ栽培用のスペースがあるのなら一度自分でおいしいゴマを育てて みてはいかがでしょうか。