ゴマ(胡麻)栽培入門

ゴマ(胡麻)育て

普段から食事でゴマを食べている人は世界中に何億人もいます。

世界中の食通の方々に愛されているゴマですが、食べたことのある人に比べて 栽培したことのある人の数は極端に少ないようです。 乾燥にも強くどんな土壌でも丈夫に育ってくれるゴマは土さえあれば誰にでも簡単に 栽培することができるにも関わらず、「いっちょゴマでも育てようか」と考える人 は農家でなければほとんどいないようで少し残念です。 日本では紀元前、今から5千年以上も前から栽培されてきたゴマですので、もっと 多くの人がゴマに興味を持ち家庭菜園で育ててみようとしてもいいはずなのですが、 実がちいさくてやりがいがないのかあまり育ててもらえないようです。 ゴマ(胡麻)はゴマ科の1年草で、栽培分布は世界的にみてあまり広くはありません。 皆さんご存知の「日照りゴマに不作なし」の格言通り乾燥にとても強い植物で、 暑い地域や水源の豊かではない土地でも丈夫に育ってくれます。 ゴマの栽培に適した気候は日照りが良くて年中温暖であることなので、日本ならこの 条件は充分に満たしている地域が多くあります。 ですが広大な土地も必要となり収穫にも手間がかかることから、日本よりもアフリカ やインドの方がよりゴマの栽培に適しています。 実際に食卓のいたるところで目にするゴマですがそのほとんどは輸入品で、国産の ゴマは日本で消費される量の1,000分の1、わずか0.1%にすぎません。 いつもみているゴマのほとんどが国外で生産されたものということになり、 ひょっとしたら日本国内で生産されたゴマを見たことがないという人が大多数 になるのかもしれません。 そんなレアな国産のゴマですが簡単に入手する方法があります。 それは自分で栽培してしまうことです(日本で暮らしていることが前提ですが)。 アフリカでも栽培されていることからわかる通り、ゴマは暑いのは得意ですが 寒いのはちょっとだけ苦手です。 ですので北海道に住んでいる人はマイゴマを栽培することは条件的に厳しいですが、 それでも日本国内であればほとんどの地域で可能ではあります。 病害虫の被害も少なくて肥料をたっぷり与える必要もないゴマ栽培は、初心者でも 苦労せずに育てることができます。 ちょっとしたスペースが余っているのなら自分でゴマ栽培をして、めったにお目に かかれない貴重な国産ゴマを育ててみるのもいいかもしれません。 あなたが初めて目にする国産ゴマが、自分の手で育てたゴマなんてちょっと素敵な 話です。 ゴマにはいくつか種類があり、種子の色によって白ゴマ・黒ゴマ・金ゴマに分類 され収穫後の利用法も異なります。 黒ゴマは粒が大きくて多収の種で全国的に栽培されており、寒い地域では青森県 でも育成されています。 色は黒いのですが含油率が低く、主に食用として利用されます。 白ゴマは粒が小さくて収量も少ないですが含油量が高くて高品質です。 白ゴマで製造された油は大人気ですので、いつも油を意識しているような油大好き 人間なら白ゴマと聞いただけでもヨダレが溢れてしまうでしょう。 それほどゴマにおける油の比重は高く、実に約半分は油でできています。 他にもカルシウムや食物繊維、鉄分、ビタミンなどが豊富で栄養満点の食物なので、 最近体力が落ちてきたな、栄養つけなきゃ、とお悩みの方はぜひとも毎日朝昼晩、 毎食ゴマを絡めた料理を食べてください。 日に日に活力が漲るのが感じられ、きっと1年も続ければゴマをこよなく愛する 健康な身体に生まれ変わるでしょう。